リレーションド・ファンタジー

 しばらく前の事になりますが、オンライン小説(ファンタジー系)の検索サイトを構築しようとしている方より、私が以前Cカレの構造分析的物語分類(http://www.campus.ne.jp/~ishigami/CREATION/STORY/STORY.htm)で行った各分類の中の「リレーションド・ファンタジー」という分類名を使いたい、というメールがありました。この名前でぐぐって見れば分かる事と思いますが、必要上私が定義した造語です。定義は以下の通り:「リレーションド・ファンタジー異世界と現実世界が関連するか、あるいは現実世界の中に不可思議なファンタジーが突如混じりこんできてドラマを形成する物語のこと」
 ファンタジー系小説の世界ではこの手の作品は基本的には「異世界物」「異世界召還物」と呼ばれています。私がその呼称をそのまま使わなかったのは、従来のそれらの定義は文字通り異世界に召還されてしまう、という物語内容を指す物が多く、では
異世界的なものが(突如)現実世界に混じりこんでくるもの
異世界と現実世界を行ったりきたりするもの
 この2種の作品はどこに分類されるのか適切なジャンルを見つける事ができなかったためです。かくして、現実世界-異世界間が関係する物語ジャンルを3項目抽出でき、それらの総称として「リレーションド・ファンタジー」という名前を与えてみたわけです。この3種のお話は構造において類縁関係が認められるため、上位-下位区分として位置づける事が可能と私は判断しています。
 メールをいただいたサイトの方も、検索システムの構築にあたって、異世界物の括り方についてまさに同じ悩みをもたれたようで、そこでうちのサイトの記述を見つけたのだと思います。もうじゃんじゃん使ってください〜ということなのですが、ただ、「やばっ」と後で思ったのはその定義名です。このグループの核となる言葉がrelation(関連)であることはほぼ疑い得ないと思うわけですが、リレーションド(relation-ed)と、名詞句にedを付けてるわけですね。英文法的にちょっと考えるとrelatedかrelational、relationのほうが正しいわけで、ドを付けたのは半ばただの気まぐれなわけで。一応ぐぐってみると「A is relationed with B」等の構文などを発見できるので直ちに誤りとも言えないわけですが。当面は放置しておきますが、正確に策定する必要が出てきた時にはドは抜く事になる可能性もある事はここで記しておきます。ちなみにドを付けた場合の利点は、検索時にノイズのない結果を抽出できるという事……ですかね(^^;
 ちなみに件のファンタジー小説検索サイトはこちらです→http://celesta.cot.jp/cs/