個人情報を欲しがる企業たち

 個人情報漏れの話題がHotなので、その関係のことをとりとめもなく書いてみるテスト。
 企業というものは、顧客あるいは顧客対象者の情報について常に欲しがっているものです。企業は自分たちが集積した個人情報は表向きは保護すると言っています。しかし勿論、自社内においてその情報は最大限活用しようと取り組みますし、しばしば協力する会社に個人情報を提供する事があります。売りつけようとする会社の数はそう多くありませんが、買おうとする会社の数はそう少なくもありませんし、こっそりと内部の人間が漏らす事が常日頃行われていたりします。
 まあ、しっかりした会社はセキュリティについては厳しいため安心できますが、インターネット系の企業は甘いどころかモラルも低いところが沢山あります。しかし彼らは狡猾で、実にさりげない方法で個人情報を入手しようと画策しています。
 多くの人が一目瞭然なのは、懸賞サイトの類でしょうか。無料で登録できて、もしかしたらお金とかプレゼントが当たるかもしれない、という誘惑に負けて個人情報を入力します。その結果、妙なダイレクトメールがドカドカと流れ始めるわけです。しかもネットの世界に留まらず、郵便でもDMが届いたりする可能性もあります。
 最近は皆さん、個人情報をなるべく入力しないように努めています。しかし、インターネット生活においてそうした情報を入力する機会はどうしても訪れてしまうものです。そんな時、正しい情報を入力すべきところに虚偽の情報を書いたり、情報を欠落させようと彼らも画策しています。が、虚偽情報入力はマナー違反であり、時には契約上、法に抵触する場合もありますので、望ましい自衛策とは言えません。
 また、決定的な情報を入力しなければ大丈夫だろう、と考える人たちが居ます。フリーメールとか、フリーHPサービスとかの登録などは、住所本名電話番号を聞いてくるものもあれば聞いて来ないものもありますし、一部だけ聞いて来るというものもあります。出来る限り入力するべき個人情報が少ない(或いは省略しても受理される)所が好まれます。少ない入力で済むと彼らは一安心するわけですが、残念ながら彼らはもう、"ほぼ"はっきりとした個人情報を収集されてしまったりしているものです。
 たとえば、名前と都道府県、性別だけ入力するようになっているシステムがあったとします。住所を書かないからといって、この3つのデータがあれば、どこかの巨大なDBと照合すれば住所を割り出すことは容易です(ある個人の情報が抜けない事はよくあることです。しかし個人情報群にとって、一部の情報が抜けない事などは想定済みです)。
 では、名前の入力がなかったとすると? するとだいぶん個人情報は隠匿されます。これで安心だ……本当かな? 登録の際に、「パスワードを忘れた場合」という項目があって、照合のために「あなたの生年月日を入力しておいてください」なんて項目がこっそりありませんでしたか? あれはリマインダのふりをして、個人情報を吸い出す巧みな罠です。どこかに登録メールアドレスを書く項目もあったことでしょう。メールアドレスは本名の一部から取られていたりもしますし、プロバイダの情報まで取得できます。そして生年月日、都道府県、性別。さくっと個人特定ができてしまったりもするものです。(20代、30代、40代…というような世代選択などを与えれば一層容易になります)
 彼らはどこまで信用できるか、または将来に渡ってどれくらい安全か。ネット生活においてある程度の個人情報の入力は避けられないし、しなくてはいけない時があるわけですが、出来る限り私達も情報が流される事がないように油断無く注意しなくてはいけないと思います。まあ、あらゆる情報を暗号化するような事をしていると、それはそれで相手にとって不便になったりするので、慎重すぎるというわけにもいかないわけですけどね。