三国問題色々(1)

 ここ最近、日中、日韓問題について私はだいぶ関心を持っています。というか、アジアカップでの問題や竹島問題が浮上するまではあまりこれらの三国問題については意識してなかった、というよりも、私は割と彼らの行動を好意的に見ていた面があったと正直に言います。しかし、あからさまな敵対感情を知るに至り、今ではだいぶ彼らの主張に疑問符を投げかけるようになりました。
 私は高校の時は、クラス編成上、世界史や日本史を選べず、地理しか学べませんでした。大学に入って歴史に興味を持つようになり、授業と関係なく個人的に勉強するようになりましたが、主に古代〜近代ヨーロッパあたりが主で、アジア周りについてはまだ勉強範囲外だったのです。なので第1次〜第2次大戦周りも、中学校レベルの知識と、あとは細切れにいくつかの知識を知っていた程度でした。
 なので、日韓問題について、私の以前持っていた知識では、
・韓国は日本に領土を奪われた事があるため、ある程度の恨みを持つのは当然
・かくの事情から日本は韓国に対して政治分野では下手になっている
・韓国は日本への文化伝来の通り道であったため、自分らのほうが祖であると誇っている
・実際経済力は日本のほうが遥かに高いため、その誇りのねじれた現象として羨んでいる
 程度のものだったわけです。韓国が親日的なものを忌避していることはある程度知ってはいましたが、韓流ブームにより、少しずつ雪解けをしていくのだろうと期待していたものです。しかし今の状況たるや、とても日韓友好年どころの関係ではなくなってしまいました。島根県という日本の一県の議会が竹島の日を制定した、というだけで、いきなり異常なまでの反発が発生し……靖国問題従軍慰安婦問題、教科書問題、戦後賠償問題など、小さくぱちぱちくすぶっていた程度の問題が一斉に点火されたのでした。
 ここにきて、彼らは羨んでいる……という背景はちょっと違う、私の持っていた日韓関係、日中関係の知識はどうも不足している! と感じまして、ここ数ヶ月ほど、関連書籍を色々読み、両者の主張を色々吟味していきました。これらの書籍も一面的な主張が多かったりするので、鵜呑みにはできず、今でもなお、それぞれの主張に疑念を抱いているわけですが、反日感情がどのような所から生まれ、また膨らんで行ったかというものについては一通り学ぶことができました。
 この問題はどうなっていくのでしょう。中国も韓国も、日本に対する要求、主張の中にはいくつかの歴史前提があり、この前提は議論不可能でありどこまでも自明なものとして突きつけています。日本はその前提に疑念を持ち議論をしようという流れでして、かくして禅問答状態になっているわけですね。まあだからこそ町村外相や小泉総理あたりは「未来志向で」と、対立そのものを過去のものとして終了させていきたいと主張するわけですが、「日本は反省していない」と、あくまでも「解決」を求める人たちがいるわけですね。
 私の立場はちなみに、「いつわりの知識を恐れよ」です。なので、両者で真偽まっこうから対立する諸問題については、片方からの前提を受け入れよと言う主張は、議論が尽くされない限りは賛同しかねるものです。(ある主張に対してそれが事実に思え、相手側が詭弁的反論しか返せない場合はそれに賛同したくなりますが)