見所細くなった後半戦(9日目終了まで)

 魁皇は不調、その他の贔屓力士であった追風海栃乃洋は最初から休場と、楽しみにできる点の少ない場所でしたが、現実はさらにその上を行きました。
 前半に快進撃を見せた岩木山が負傷にて休場。普天王に敗れたもののまだ2敗で優勝を狙える圏内に居たはずの白鵬も負傷休場。ついでに千代大海も休場。栃東まで既に怪我をしており無理を押しての出場中。露鵬も足首の捻挫が発覚、昨日は立ち合い直後何もできずに土俵を割りました。
 朝青龍が「あまり調子は良くない」と言うものの、そもそも有力力士がこぞって怪我に崩れており、結果的に今場所も朝青龍か?という流れができてしまいました。
 さて昨日の取組みをいくつかピックアップ。
琴欧州(7-2) 垣添(2-7)●:前日、朝青龍を破る値千金の活躍をした琴欧州。この日は垣添の自分勝手な立ち合いに完全に遅れを取るも肩越しに廻しを取りすぐさま崩れ落ちるような下手投げ。長身はその上体の高さがデメリットになることも多いが、琴欧州はうまく活かしている。黒海露鵬の3人の中では一番技量も高いように感じました。
普天王(5-4) 琴光喜(4-5)●:不調の魁皇千代大海を破ったときは大して気にも留めていなかったものの、白鴎を倒した相撲にこの日の琴光喜に対する勝利は見事。体の重心がよく崩れにくい。いい相撲だと思うので今場所はぜひ勝ち越ししてもらいたい。一方の琴光喜は駄目すぎる。大関取りはほぼ白紙か。好不調の波が激しすぎるのでまずはその原因を詰めて、修正しなくちゃ大関は無理でしょう。
雅山(5-4) 千代大海(3-6)■:大海休場。平幕下位クラスの力しか出せていなかったので仕方がないか。怪我のせいで稽古しなかったのが原因だとか。好調時二桁勝てることは勿論分かってはいますが、ちょっと不調になっただけでとにかく脆すぎるのは何とかならないのだろうか。
栃東(6-3) 出島(5-4)●:明らかに足が悪くなっている栃東。一気に出島に持っていかれることも懸念したが、なんとか捕まえた後は技で仕留める。この体調では朝青龍に勝てるとは思えないが、まあ頑張れるだけ頑張ってもらいたいです。
白鵬(6-3) 魁皇(7-2)□:今場所の魁皇は腰の不調のなか、負け越しや再度の怪我で引退という背水だったわけで、とにかく8勝すれば良いと思ってみていたのですが、この日の不戦勝入れて9日目で王手までこぎつけちゃいました(・・;)。負けた相撲も、普天王にいっきに押し切られたのと、琴欧州に頭からぶつけられ目の上をきってしまったのと、どちらも全然力を出せなかった日なわけで。受身受身の相撲が殆どでとても誉められたものではないにしても、なんだかんだで中盤以降負けにくいのが魁皇の強さか。なんか優勝争いに残っては居ますが・・いや、とりあえず今日勝てばいいんです。
朝青龍(8-1) 若の里(7-2)●:せっかくいい体勢になったのに、わざわざ朝青龍に上手をプレゼントして瞬殺。あとでVTR見て悔しがったんじゃないかな。攻め方の失敗であると共に、朝青龍に対してはゆっくり攻めること自体が禁物。琴欧州は一瞬の逆転の隙も与えないうちに投げたのが勝因だったわけですしね。