論客は生きていた

 12/14、耐震偽造問題で、姉歯木村建設&総研に対する国会での証人喚問があり、これは見なくてはと1日テレビに釘付けでした。こんな面白い国会中継は生では始めてでした。
 姉歯木村建設(社長と東京支店長の2名)→総研社長の順に尋問が行われたわけですが、それぞれの尋問に対して国会議員が5−6名時間を与えられて質問するわけですね。
 姉歯氏は基本的に罪は認めているので、あとは真実を出来る限り引き出すのみという相手でしたが、残り2者はとにかく自分らの非を認めまいと必死です。証人喚問での偽証(つまり嘘)は罪に問われますから、何とかのらりくらりと彼らは質問をかわそうとします。そうさせないのは質問者の弁論能力に掛かってくるわけですが、実にピンからキリまで居ました。この1日のやり取りは、既に同じ表現を使っている人が沢山いますが、まさにゲームで言うなら逆転裁判の世界でした。誰が、証人の過失責任を認めさせる事ができるか。矛盾を突き動揺させる力量を持った「成歩堂龍一」は誰か。
 数多く居た質問者ですが、自民は軒並み失格でした。専門知識も無く、聞きたい事はいろいろ用意すれどもかわされてしまって結局肝心の追及が出来ていませんでした。
 姉歯氏および木村建設についての尋問で、やや抜けていたのは公明党高木陽介氏でした。何が問題であり、どの点についての証言をきっちり引き出すかを心得ており、それを感情的にではなく、外堀を埋めるように理詰めで追い詰めていく。プロの仕事だなあと思いました。が、肝心の黒幕(?)と目された総研の内河氏に対してはその舌を十分に発揮することができませんでした。
 内河社長は絶対クロなのに! 誰か切り崩してくれる勇者はいないのか! ということで終盤に登場した民主党の馬淵氏が見事にそれをやってくれました。かなり調べた上で具体的にいろいろ答えさせて、それでもある程度動揺はさせつつもあと二押しが足りず逃げ切られてしまう、と言う時に、最後に隠していた秘密の資料を持ち出して尋問。「あなたが指示したんじゃないですか!どうですか!」 老獪な内河氏も予想しない証拠の登場に声を失いました。裁判ではないですが、「法廷でモノを言うのは証拠品」の世界です。リアル成歩堂キター!と熱くなる一時でした。まあ、法廷ではないので、事実を認定し処断する人間はいないわけですが、数十万のお茶の間の人間がこのTV中継を見て、姿無き陪審員となったことでしょう。
 不祥事の相次ぐ民主党でしたが、この馬淵氏の尋問で一気に株を上げた感があります。党派を抜きにしてこれは素晴らしかった。国会議員すげえええ、とこの時はマジメに思いました(^^; というか、こんな切れ者が民主に居たんですねえ。馬淵GJ!
 ネットにはこの国会中継の模様とかのファイル落ちていると思いますので、逆転裁判の尋問中BGMをお供に聞いて見るとかなりハマると思います。ちょっと長いけどお勧め。(馬淵氏のだけでいいと思うが)