番付通りで落日決戦

 大相撲1月場所14日目、結果4番:

朝青龍(11-3) 琴欧州(10-4)●
栃東(13-1) 北勝力(11-3)●
時津海(11-3) 白鵬(12-2)○
琴光喜(8-6) 安馬(9-5)○

 優勝に絡んだ3番+1。まず琴光喜-安馬。立会い一気に安馬が猛然と突進し土俵際までそのまま押し込む。そこで踏ん張って体勢をなんとか立ちなおそうと前かがみになる琴光喜、そこでさっとはたきこみが鮮やかに決まり安馬の完勝。幕内最軽量ながら琴光喜露鵬をいっぺんに土俵際まで押し込んでいくこのスピードは、朝青龍のそれをも圧倒しています。まさに駿馬のごとし。今後の成長に期待。
 で、白鵬-時津海。今場所よくやる白鵬の左の前褌狙いが鮮やかに決まり、その後は落ち着いて有利な体勢を作って上手投げ。白鵬完勝。この日はいい所の無かった時津海ですが、けれど今場所は積極的な攻めも見られてほんと良かったです。かつてより栃乃花追風海時津海の3人は将来性がある渋い取り口の力士だなと思っていたわけで、だいぶん遅れましたが時津海はその厳しい取り口を遺憾なく発揮してくれたのでした。願わくば来場所もこの好調が持続するように。
 結び前の栃東-北勝力栃東はとにかく欲しい廻しでしたが北勝力はそうはさせまいと必死に張って凌ぎます。栃東もやややりにくそうでしたが非常に落ち着いていて決して自分の不利な体制にならないように注意しつつ探りながら動き、ちょっと北勝力のバランスが崩れたところを見逃さず引き落とし。結果的には完勝でしたが、北勝力も今日の相撲は悪くなかった。負けた理由は相手が栃東だったという事でしょう。こうして栃東は1敗を守り、3敗力士となった時津海北勝力、それから朝青龍琴欧州といっぺんに4人が戦線から脱落となりました。横綱の8連覇の夢は絶たれました。
 優勝争いから外れてしまった、朝青龍-琴欧州の両力士の結び。左上手を取れば琴欧州、しかし横綱がやすやすと許すはずも無く、腕を掴んでぐるぐる回り体勢を崩そうとするも必死に琴欧州はこらえ続ける。大抵の力士は既に土がついているところですが粘る琴欧州、しかしバランスが崩れまくっておりさっと引き落としが決まり横綱の勝ち。右腕の具合が気になりますし、どうみても本調子の動きではありませんが、なにはともあれ新大関を撃破して3連敗を避け、横綱にさらなる傷が付くのを避けた格好です。
 かくして1敗で栃東、2敗で白鵬。優勝争いはこのどちらかとなりました。明日のラスト2番ですが、以下のようになっています;

白鵬(12-2) x 琴欧州 (10-4)
朝青龍(11-3) x 栃東(13-1)

 結び前の一番で白鵬が破れればその時点で栃東の3回目の優勝が決定します。白鵬が勝っても千秋楽の結びで栃東が勝てばやはり栃東優勝。白鵬勝ち栃東が敗れれば優勝決定戦、ということですが……
 白鵬-琴欧州戦。やはり白鵬琴欧州にまわしを与えてしまうかどうかに掛かっています。どちらも簡単には引きや突き落としで崩れない力士でもあり、白鵬の横からの押し出しか下手出し投げ、琴欧州は左上手投げか寄り切り、まあ決まり手候補はこんなところ? 白鵬は13番勝つと春場所11勝で大関、12勝だと来場所もまた12番勝たなくてはいけないということで大変重要な一番。モチベーションでは白鵬ですが、琴欧州も緊張が無くなり自然体の相撲ができるかもしれません。
 結び。朝青龍はなんであれ強い横綱ですが、脇の硬い栃東ですから半端なスピードでは押し込めず挿すこともできない。攻めの一手が続けられるかどうか。正直右腕の状態からして、足運びに頼りすぎて突き落としを食らって栃東の勝利という図が浮かんできます。まあ、栃東のほうがやや有利。でも栃東自身がなんか緊張でもしていればいっぺんに寄り切られる。こんなところでしょうね。
 白鵬負けて栃東も負けるというショボーンな千秋楽にはなりませんように(笑

 そうそう、五月場所(こそ)親を連れて升席行きますよ!と宣言。