というわけで見ました、ラストNステ

 何の脈略もないところで唐突に「発言の機会が無くなるから言っておきますが、私はイラクへの自衛隊派遣に反対です」と。キャスターの立場では述べてはいけない種の意見も、最終回ならではこそ。この人はもっといろいろ喋りたいんでしょうね。キャスターという立場から降りて、ゲストとかパネリストとか講演とか書籍において、その舌か筆を遺憾なく発揮することになるのでしょうか? たぶん最初はやや控えめになるとは思いますが、久米氏の名前はここで途切れるような人にはどうにも思えません。あ、ちなみに私もイラク派遣は反対の立場を取ってます。「国際貢献は必要なんだ。自衛隊が派遣しなければ現実的にどうしろと?」とか言われたりしていますが。
 ともあれ、最後は、「自分にご褒美」として、ビールを注いで飲むというニュース番組の度を過ぎたパフォーマンス。しかしこれも18年半続いた番組の最終回ならではこそ。渡辺真理が「最後まで独りよがりなんだから」と言ったような。このあたりは若干の計算を感じますね……Nステに向けられていた多くの批判を、久米氏に(もちろん本人も知っての上で)ぜんぶ吸収させるという意図でしょうかね。ちなみにこのビールのみの直前の挨拶で、「日本の民放は戦後生まれで、国民を戦争に向かってミスリードしたことはない。これからもそういうことがないことを祈っている」という発言をしています。イラク派遣への一言の主張も含め、(間接的なものであれ、自衛のものであれ)戦争への関与を徐々に深めている日本の状況への憂慮、警告をしたということでしょうね。
 終了間際、妙なチャイニーズテイストで、久米氏が復活するかのような予告編が入りました。かなり意味不明なものでしたが、これに意味がないと考えたらどうにかしているほど重要なタイミングでの挿入。来年にはTV等で顔をまた出すというところまではすぐ読み取れるとして、中国の演出にどんな意味が…さてさて。
 ともあれ、18年ちょっとの間の放送。私からも、スタッフの皆様にお疲れ様でしたと、労いの言葉をかけておきます。