ドラクエの件の補足

 昨日は各DQに序列を付けてしまった。だが、下位になった3とか2が決して面白くないというわけではないのだ。ゲーム史の観点、つまり「ムーブメントを起こした作品」という視点からいけばやはりDQ3は特筆すべき存在であるし、RPGという類型を決定付けたのはDQ2だと思う。あの序列は、あくまで私の主観による内包する作品性という観点で成したものである。なので、あまり気にしないでもらいたい。
 ところで、私はDQ8に期待している。DQ7が私にとってはあまりに残念な内容だったからというのもあるが、表題の「空と海と大地と呪われし姫君」という名前で既に惹かれている。このくどい表現は一体何を意味するものだ? DQ1の時代ですら、素材の活かし方は既に完成されていたほどだ(http://www.campus.ne.jp/~ishigami/CREATION/FDOOR/FTDQ1S.htm とか http://www.campus.ne.jp/~ishigami/CREATION/STORY/OLDTALE2.htm を参照のこと)。単なるフィーリングでこんな表題をつけたと考えるなら、それはあまりにドラクエの事を誤解していると言わざるを得ない。中島みゆきから取ったなんて考えるのも論外だ。某所ではそうした舞台のグラフィック表現に自信があるから付けたなどという指摘もあった、それが的外れなのは断言してもいいだろう。謎かけは既に始まっている。
 これは渡りをテーマとする、霊魂の旅、異界訪問の旅ではなかろうか? アファナーシェフのロシア昔話125bに以下のような記述がある。

「百姓は鷲の背に乗った。鷲は高く舞い上がり、青い海へと飛んでいった。岸から遠ざかると、百姓に聞いた。『見て、言ってくれ。おれたちの前に何があり、おれたちの上に何があるのか』そして百姓は答えた、『後ろには大地があり、前には海があり、上には空があり、下には水がある』」

 また、こうした情景のあと、昔話や伝説、叙事詩は異界へと辿り着く。そこには姫が暮らしているが、殆どの場合、ただのお姫様ではない。

 私はまず、このくだりを想起した。主人公がラーミアにでも乗って、異界へ赴くのだろう、という物語が推測できる。作品が出ていない段階でこんな事を推測するのは大胆に過ぎると思う。全然違う可能性も多分にあるわけなので、単なる戯言と捉えておいて貰いたい。ともあれ、私はこの新作に期待している。(PM21:30 原典の文をちゃんと調べたので記述修正)