面白かったけどスッキリしない

 野球については、シーズン中にもだいぶ書きたいことがありましたが、その時間余裕がないまま終わってしまいました。しかし、プレーオフ日本シリーズについてはやっぱり少し書いておきたい。
 今年からパリーグが導入したプレーオフは評判上、および興行上は大成功となりました。それもそのはず、2位-3位戦は2-2からの決定戦にもつれこみ、パリーグ優勝決定戦では3-3からの決定戦にもつれこみました(日本シリーズもまた3-3からの最終戦となった)。こういう試合がドキドキハラハラさせるのは言わずもがな。しかし、「短期決戦の結果」と「長いペナントを戦った結果」における勝者と敗者、どちらが強いと言われたら、私は後者を選びます。ペナントは優劣を決めるために延々カードが組まれているのであって、プレーオフの存在はその意味を失わせるものです。なるほどプレーオフによって活性化した点は否めません、しかし、パリーグ2位の勝星であった西武が日本一の栄冠に輝いたあたりは、どうにも釈然としないものが残りました。ルールだからと言われればそれまでですが。また、大リーグだってプレーオフがあるじゃんと言いますが、あれはリーグを形成する基本地区が複数あり、地区別の実力が不均衡になるために行われているものであって、ア東地区の1位ヤンキースはまずア中地区のツインズと戦い勝利して、その結果として、ア東地区2位のレッドソックスと、同地区同士で戦うことになったわけで、はじめから同地区のヤンキースレッドソックスが再度戦うように設定されたわけではありません、つまりプレーオフの構造がそもそも別物であるわけで、ところが日本はこの3段制を無理やり持ってきてしまった。一度はペナントリーグ戦での階位が定まった上で戦うわけで、若干の条件の差を付けたにしろ、その対戦相手との差が「引き分けの時のみ勝星上位に属するチームの勝ちとする」という程度。なるほど1位のダイエーはトーナメント的に一試合分優位ではありましたが、2位と3位のうちどちらかは必ず勝ち進むのであって、そう考えるとあとはダイエーとの条件はその引き分け条件という微々たる部分にしかウマミがなかった。来年も引き続き導入するそうですが、私はいまのところの方式は面白いから良い、とは素直に言えないのでした。
 まあ、こうしたことや、一場問題やコクド問題でのオーナー辞任劇、球団統合問題などがあって、どうにもスッキリといかなかった2004年のプロ野球でしたとさ。ただ、色々変わろうとしている変革期でもあると思いますので、来年、再来年のプロ野球はまた少し愉しみだったりします。