リスカ少女の心の闇(その1)

 家族殺傷事件で捕まった大学生と高校生の少女。家族を殺したり殺そうとしたり、人間として最低であることは疑いえない。しかし、彼らの常軌を逸した行動については、単なる犯罪者の考えということで封じ込めて終わり、としてはいけないだろう。
 少年犯罪は近年ますます凶悪になってきているが、彼らの罪の意識の希薄さが浮き彫りになっている。善悪判断、理性的判断を欠いた好奇的、衝動的行為。そこには自己快楽的、あるいは厭世的なものも背景にある。道徳教育が求められているのは確かだが、道徳の時間を増やせば万時解決……するわけが無い。無益ではないが思ったほど有益に働いていないのが実情である。
大体、道徳の意識が欠如した大人も同じように増加しており、彼らは言ってみれば映し鏡なのだ。根本原因は社会そのものに潜んでいる。大人がこの問題について真剣に考えなければいけない時だと思う。
 人間はけっこう心に闇を持っているものだ。これを無くすことは困難だが、闇が一人歩きしないよう、または、一人歩きし始めた時に気づける人が必要だ。