注目されすぎなQちゃん

 私はマラソンと駅伝の大ファンだ。そんな私にとって、日曜日の東京国際女子マラソンはもちろん大注目の一つ。中継の時間に仕事が入らなければ良いのだが。
 ほとんどのマスコミは、いや、茶の間の人たちもみな、最大の注目ランナー、高橋尚子が優勝することを期待しており、願っている、それも独走でだ。オリンピック金メダルも含めて6連勝、実績は申し分ない。小出監督も絶好調と言っている。私も彼女が勝つ可能性は極めて高いとは考えている、匹敵する出場ランナーが少ないからだ。彼女より優れたタイムを持つヌデレバも、孫英傑も、もちろん”女王”ポーラ・ラドクリフも居ない。ただし、彼女は輝かしく注目をされてから、公式のレースにはあまり走らなくなった。無駄に走らなくなったとか、怪我があったからというのもある。しかし、彼女には常勝という制約が課されているからこそ走らない、という言い方ができるだろう。今回のレースはひさしぶりの参加となる、本当のところの体調はどうか。勝負勘はどうか。不安材料はそこである。
 しかし、マスコミの煽り立て方は異常なほどだ。「彼女は2時間ドラマの主役になるだろうか」と謳い文句。Qちゃんが独走すれば、本当にスポットライトは彼女にだけ当たり続けるだろう。しかしそれは待って欲しい。私はマラソン競技のファンであって高橋尚子のファンというわけではない。ロバ、アレム、嶋原清子などなど、やはり色々な選手の走りを見てみたいわけだ。独走になって緊迫感に欠ける結果になったとしてもそれは致し方ない、しかし、カメラはできるだけ公平にスポットを当てて欲しいと願うものである。