子どもを2人産まないということ

出生率が過去最低の1・29、年金改革法“誤算”」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040610-00000001-yom-pol
 とうとう1.3を割り込んでしまいましたか。一昨年私は1.36という数値を聞いたときに既に低いなあと驚いたわけですが、こりゃ国家的一大事ですよ。年金問題ばっかり目が向けられていて、その根本原因の対策にはあまり力を注いでいるようには見えません。
 この件については私は一昨年(2002/5)、以下のような事を書いていました。そのまま自己引用しちゃいましょう。あんま綺麗な文になってないけどね:

今日のメイン話題はこれ:「2025年に年収の4分の1が厚生年金に?」です。この手の話は社会人になってない方の殆どは実感が無いかと思いますが、社会人の身としてはかなり「ぐはぁ」です。私たちが払っているのは年金だけではなく健康保険料、所得税や市民税などなどとありまして、結構な額になります。正直いますぐに年金が2倍になったら貯金なんて夢の話になり、「人間何のために生きているのか」とかきっと鬱モードに入ったことでしょう。どうすべきか、と先のソースでは負担増、年金受給額の引き下げとありました。この他、受給開始時期の引き上げなどもある事でしょう。私たちの負担の話はいったん措いておくとしても、今まで年金を払いつつ、40年間以上も働いてきた尊敬すべき方たちに、苦しみを負わせるというのはどんなものか。がっぽり退職金が入って悠々自適な方はともかく、そうでない定年者も大勢いるわけで、彼らはどう生活していけばよいのか。もう一度働かざるを得なくなる、生きつづけるために。あるいは?
 この主原因はご存知のように少子化によるものです。合計特殊出生率(女性が一生に生む子供の数の平均)が1.36ですよ……女性が子供を産まなくなった!当然の理屈ですが、女性は一生に二人より多い子供を産まない限り、人口は確実に減少します(ちなみに子供の死亡率などを計上し、プラマイ0になる値を人口置換水準と言い、この指標値は2.08です)。ともあれ、1.36というと、2よりも1に近いということは、人口は緩やかに半減傾向にあるわけです(1998年の時は1.38だったのでさらに減少している模様)。ちなみに1940年の時はこの特殊出生率は4.27です。そして、敢えて指摘するまでも無く、少子化は高齢者の増加というよりも、労働者の減少という、国家社会の核となる存在を減らしているわけですね。こーんな傾向、ずいぶんと昔から推測されていたことなのに、突如としてこうした衝撃的な警告がやってくる。国家政体はどこに眼を向けている?と正直厳しく言いたい気持ちです。これは至極当然明らかなことですが、女性は子を産むべき存在です。生まれたときより基本的特徴として与えられた役割です。そして女性たちは1人しか生み育てたくないなんて理由で生まないのではなく、育てるだけの余裕がないのです、経済的事情やそれに付随する問題のため。中には、自分の生きがいを他に見つけ、そのために生まない人も居るでしょう。これは結婚しない男性もしかり。事情のある人たちは仕方が無いものとしても、それ以外の女性たちは子を多く生むべき(早く産むべきとは言ってないので念のため…)。そして結論として、国家は一刻も早く、子供をもっと産みたいのに事情によって抑制されている人たちの声に耳を傾け、対応すべきです。取り組みを始めていることは知っています。しかし、もっと本気になるべきです、日本の社会にとって、事態はそれほど深刻なのですから。
 結婚したいとは思っているけれど、相手がいない……というケースもあると思います。これに関しては私は何とも言えません。恋愛結婚がむろん望ましい事と思いますが、ダメだったなら伝統的なお見合いで何とかするしかないのかもしれません。しかしお見合い結婚という事に関しては、日本はそれなりの組織があるのだから恵まれていると言えます。そして、見合い結婚は長続きしないという観念は必ずしも正しいものではありません。前に一言書いたような気もしますが、「恋愛結婚は相手に理想を求めるため破綻し、かえって見合い結婚の方が相手に敬意を払うので長続きしたりするものだ」というストラザンの言葉は耳に入れておくべきなのでしょう。
From: http://www.campus.ne.jp/~ishigami/PROMOTE/NOTE/S200205.htm

 いじょ。これ以上の保険料負担の上限引き上げも、年金支給開始年齢の引き上げも根本解決に繋がらないどころか勤労意欲を損ねるだけです。
 ところで、あなたは自分に何人の子どもが欲しいか?
 私だったらこう言うでしょう、「子どもが持てると仮定するならば、2人か3人は欲しい。だって、1人だったらその子どもが死んじゃったり、もしも性的不具であれば自分の血が途絶えてしまうではないですか」と。もしもみんなこういう事を思って実行していれば(現実的に可能なら)出生率は2.0を越えるはずなのですよ。それと、1.29という数字との大きなギャップ。「………その後は1・39まで回復する」なんて先の記事にありましたが、1.39だったら果たして無問題なのか?
 出生率はどれくらいであるべきが望ましく、そうあるために何をすればよいのか。議員の方々はぜひこちらの視点で行動していただきたいものです。