なつかしの鬼ケ島

♪ももたろさんももたろさん お腰につけたきび団子 一つ残らず下さいな♪
 そして猿とか雉は桃太郎侍に切り殺されましたとさ、めでたしめでたし。
 ……ととと、こんなジョークをするつもりじゃなくて。ファミコンミニの第3弾シリーズの1つ「新・鬼ケ島」のお話をば。コミケ仕事云々で購入もだいぶ後回しになっていましたが、ようやく買って遊んでいます。と言ってもいまは殆ど時間が取れないので出勤&帰宅途中の電車内のみでのプレイになっていますけどね。(余談ながら、逆転裁判の時はたまらず家でも遊んでしまいました。それだけ逆転裁判が面白かったと言う事ですね)
 さて、当時は大変な名作と思っていたこの作品、改めてプレイしてみると……やっぱ凄い作品ですね。インタフェースはあまり良いとは思えませんし、物語性の観点から無駄なナンセンスやご都合が多すぎるとかマイナス点も数多いですが、それらは当時の水準を考えれば仕方がない面があります。
 しかし、それを補ってあまりある仕掛けの数々に、案外大人びた台詞群。特筆すべき点を3つ挙げておきます:
 1点目。主人公の視点を切り替えてそれぞれ行動できるというシステム。マルチサイトですよ。しかも一人が特定の行動をしたタイミングで、もう一人に切り替えて更に特定のアクションを起こすことで先に進める…という連携技。アドベンチャーはおしなべてゲーム性が低いとは言われますが、こういう仕掛けは間違いなくゲーム性を持っていると言えるでしょう。今ですらやや珍しいシステムをこの当時に既に実現されていたというのは驚きです。
 2点目。常に選択肢を選ぶまでは物語が進行しないという基本を崩し、一定時間何もしないで待つことによって次のステップに進めるという仕掛け。なんてこと無い様に見えて革新的ですよ。サラダの国のトマト姫では延々「WAIT」命令を与えなくてはいけなかったのとは大違い。
 3点目。やってはいけない行動なども、一度か数回の警告を経て、行動できてしまい、それに従った結末が与えられると言う点。第1章にてお地蔵さんを蹴倒してしまった後もすぐにゲームオーバーにならずに、その後で因果的な罰を受けるというわけです。死にゲーだからこそ実現可能だった面があるとはいえ、この機構があるおかげでゲームの見せかけの自由度および、選択することへの重みがぐっと増しているわけです。
 なお、現在は洞窟ステージまでプレイ中。もうすぐ終盤と言った所ですね。ほんと主人公たちは簡単に死んでくれて、当時はやり直しが大変でしたが、今は一瞬でロードできるので
助かります。
 またクリアしてから何か書くつもりですが、いやはや、懐古を楽しむという以上に実際に遊べます。GBA持っていて良かったと改めて思いましたよ。