春場所総括(1) - 気になった大団円

 春場所が終わりました。今場所はなんだかあっという間だった気がします。
 終わってみれば朝青龍が決定戦を制しての優勝、白鵬は13勝2敗で大関昇進栃東は12勝3敗で横綱昇進はなれなかったものの来場所に繋がるらしい現状維持、それから魁皇は8勝7敗で勝ち越しと、色々丸く収まるように収まりました。
 特に魁皇。10日目に琴欧州に敗れ4勝6敗となったとき、もう負越しは覚悟していたのですが、朝青龍には予想通り負けたものの、栃東/出島/琴光喜/白鵬に勝ち、奇跡の勝ち越しとなりました。負け越しでやはり引退の可能性があっただけに泣くほど喜びたいところなのですが、この千秋楽の白鵬があまりに脆く崩れた事は喜べるものではありませんでした。栃東戦もやけに栃東が簡単に腰を割り、琴光喜戦にしても鬼門の相手はどこへやら、最初から最後まで魁皇のペースでした。後半の魁皇は動きが良くなってきたのは目に見えて分かりましたが、相手の動きがそれ以上に悪かった。そのくせ、やたら脆かった白鵬が、決定戦の朝青龍戦では今場所一番とも言える力相撲を繰り広げ、まるで別人のようでした。これは栃東-朝青龍戦も似たような感じでしたね。
 そんなわけで、ネットでは八百長だと騒ぐ人達がわらわら出てきているようで。
 八百長云々ではなくて、朝青龍以上の人気力士が「負け越したら引退」なんてことで広がってしまって対戦相手が単に取りづらくなってしまった結果、(少なくとも魁皇戦については)若干なり気を抜いただけだと思いますが。角番脱出は喜びますが、そういった心の働きかけのない真剣勝負を見たい私としてはすごく内心複雑でした。
 来場所魁皇が10勝してくれればこの複雑な心境も払拭できるとは思うのですが……