トップ・コンシューマ機をめぐる戦い - 鷹月ぐみなの気まま随想録

　今日はコラムっぽい内容。
　新次世代機の戦い。勝つのはPS3かWiiかX-BOX360か。世間の風評や値段はひとまず置いておいて、過去の流れを整理してみましょう。
　まずはFC(1983)を最初とします。
　対抗としてセガ・マークIII（1985）やPCエンジン（1987）などが出てきましたが、強力なウリに乏しく裏街道。スペック的に明確に上位と言えたメガドライブ（1988）でようやく注目を浴びましたが、ファミコンの後継のSFC（1990）において大幅なパフォーマンスの向上が図られ、裏街道系はこれでお陀仏。
　SFCの当時の唯一の弱点が容量面でしょうか。この点を突いてシェアを奪おうとしたハードが、メガCD(1991)とかPCE-DUO(1993)など。残念ながら基本スペックがSFCより劣っており読み込み速度が遅かった事もあってシェアを一気に奪うところまではいかなかったわけですが狙いそのものは間違っておらず一定の支持を得る事に成功。
　そして容量とスペックを兼ね備えたマシンが待望されるようになり、ここではじめて「次世代機」というキーワードが生まれたわけでした。
　そのさきがけが3DO(1994)。しかし残念ながらCPUとグラフィックエンジンが強化されていただけで、それ以外に魅力がなかった。但しポリゴン（３Ｄ）化の流れだけは正しかった。これに続いたPC-FX（1994）はポリゴンのキーワードを搭載し忘れ、単なるDUO系列の延長戦で戦おうとしたために惨敗。
　容量＋スペック＋ポリゴンという戦いで争われた次世代機レース。セガサターン（1994）とPlayStation(1995)、Nintendo64（1996）はマッチレースになるか……と思いきやPlayStationの圧勝。後発のくせにPSに勝てるウリを提供できなかった任天堂がここで初めて大敗。
　PlayStationのスペックはかなり安定しており、これに勝つにはまた違ったウリが必要となりました。セガサターンで惜敗したセガが、基本スペックの上昇とネット機能をウリとしてドリームキャスト（1998）を放つも、残念かなこの時期はネットインフラそのものが未整備であり、ウリとして戦うことができなかったようでした。それでもPSOという良作の登場で話題を集める事には成功したもののキラータイトルも少なく、そんな中でPlayStation2（2000）の登場。これはFC->SFCみたいな、PlayStation的ゲームの全体的な性能上昇版。一応ネット機能もサポートしており、これでドリームキャストは沈没。
　PlayStationの翌年にNintendo64で失敗した任天堂が、またも翌年にゲームキューブ（2001）を放つも、やっぱりPS2に勝るウリに乏しく、前回の教訓が活かされておらず敗北。携帯機（こっちは圧勝）のほうに力を入れすぎたか。X-BOX（2002）も単なるPS2の類似品という感じで、ついでに本体がでかすぎるわ重すぎるわで日本人には不評。
　PlayStation2は爆発的……とまでは行かなかったものの、この両対抗馬の弱さもあってシェアを次第に伸ばし、そのまま後継としての地位を確立、そして６年が経過。
　これだけ経過すれば、確かにもう次のコンシューマ機の出番と言っても良いのですが、果たして、いま不足されているものは何なのか？
　ユーザはPS2のスペックに大きな不満を抱いていただろうか？
　新・次世代機において、先陣を切ったXBOX360。スペックにおいてはPS2を当然圧倒するも、日本での売り上げはいまいち。果たしてマーケッティングの失敗だけでしょうか。
　漸く値段が発表されたPS3。スペックはXBOX360よりさらに上（=2TFlops）。どうやら「スペックのみで戦う回ではない」と言う事は薄々分かっているようで、コントローラーを少しばかり捻ってきた。が、コントローラのポテンシャルはWiiはそのさらに上を行く。
　Wiiは前々から一部で待望されていた、バーチャルスティックをウリに据えてきました。リモコンコントローラ・ヌンチャク・従来型パッドの３点セット。それ以外にも、過去のハードをＤＬして遊べるようになるなど、さりげなく魅力的な機構もいっぱい。
　マシンのスペックで言うなら、PS3＞XBOX360＞＞＞Wiiと思われますが、どうも今回はここはポイントにならない気がします。どうも前哨戦は、「遊び」のマシンであるということをシンプルに追求している感のあるWiiの勝ち。値段の問題もあるけれど、仮にWiiがPS3の半分程度だとしたら、まぁ、コアユーザは別として、ライトユーザはPS2を遊びながらWiiを買って試すという流れになるのではないかなと。
　PS3の今後は、2TFlopsの処理速度が表現できる「すごい」作品が作れるかどうか。あるいはBlu-Rayがどこまで成功するか。それともまだ何かサプライズがあるのか。ここらへんにかかってるんでしょうけれど。
　XBOX360は……あたしゃ知りません。