斎藤メモリアル2 - 第88回高校野球選手権大会総括(3)

 斎藤佑樹の7戦で投げ込んだ投球数は948。一人で最初から最後まで全てのアウトを取り優勝してしまったわけです。1人で投げきったと書くと、初戦で実は塚田が登板しているのでこのような表現を使うしかないのですが、塚田は四球2つ出して1アウトも取れないまま再び斎藤に代わったわけで、実質的に1人だけで投げぬいたと言って良いでしょう(^-^;
 おさらい。

2006年夏の甲子園 斎藤佑樹 通算成績
7戦完投6(完封1)
投球回数69 球数948 被安打40 三振78 失点10(自責9)
防御率1.17

 打高投低と言われた今大会において、脅威の防御率1.17をマーク。奪三振78は松坂が高3夏に記録した54、去年の辻内の65を余裕で越えて歴代2位に(1位は坂東英二の83。これバケモノ記録)。春夏通算奪三振も104となり、松坂の97を抜いて歴代2位に。
 これだけやばい成績を残した投手にも関わらず、なにやらプロのスカウト達の評価は少なくとも大会前まではかなり低かったようでした。彼らによると、

田中・前田(PL)>>>川角とか大嶺とか>その他

 こんな感じだったようなのです。プロのスカウト達は素人の私なんかよりしっかりじっくりと野球を見ており彼らなりの判断なのだろうと思いますが、しかしプロのスカウト達がスカウトしてきた選手が失敗した例など枚挙しきれないというのも事実です。まあ、田中や前田がそれなりに凄いのは私も間違いないと思いますが、今大会において圧倒的なパフォーマンスを見せていたのは斎藤佑樹でした。決勝1戦目の15回裏2アウトに相手の4番(本間)に対して147km-143km-147km-146kmなどと剛速球を投げ込んで抑えた一件はお茶の間、メディアのみならずプロ選手をも唸らせたようです。とりあえず野村監督あたりはかなり色気を見せていたようでしたし、プロ経験のある解説者たちが口々に斎藤SUGEEEと感嘆の嵐でした。
 まあ、来年プロじゃなくても大学でさらに成長してもらってから……でも私は良いのですが、ともあれ、今後の彼の活躍を私は楽しみにしています。最後になりましたが、早稲田実業に斎藤くん、優勝おめでとうございます。
 ……と、いったん斎藤寄りの総評はここで終了。この後時間が空き次第残りの総評を色々書いていこうと思います。