ゲーム研究が進んできた、それはいいことだ

 社会の中で無視できない影響を持つに到ったコンピュータ・ゲーム分野。最近になってようやくこのコンピュータ・ゲーム(時にはコンピュータのみならずゲーム一般として)というカルチャーについて真面目に研究しようという動きが活発になってきました、それは大変に良いことです。しかし、基本的には業界の観点からなされた研究が主体であり、それはすなわち技術研究や経済的研究、商業作品の製作理論、それと若干の社会学的研究に留まります。ゲームの発生学や歴史学、あるいは作品の文学性についての研究はまだまだ乏しい。アマチュアサイドにおけるゲーム創作についての未来について論じられることも勿論少ない。ゲームが与える影響について、一面的にでなく総合的な視点から論じた研究もまだまだ数が無い。
 私は本業ではないですがゲーム研究家のつもりです。で、私が主にスポットを当てようと思ってるのは、まだまだ触れられていない領域についての研究です。実際、私のサイト「クリエイションカレッジ(http://www.campus.ne.jp/~ishigami/CREATION/)」には既にそういう記事がいくつもあります。自慢をするつもりは無いですが、ゲームを研究しようという動きが出てくるはるか以前に私はこうしたサイトを立ち上げていました。まあ、最近は忙しくて更新が疎かになっていますけれどね。
 作品研究。ドラクエ1が魔法昔話の構造を持っている事に気づいた人は恐らくいたでしょう。けれど、それを本質的に、背景・構造・形態学的に分析し発表したのは多分私が最初なんだろうと思います。こういう風に、未開拓の研究分野はまだまだあるのです。ドラクエ6なんて格好の素材です。幻想文学の影響が色濃く存在していることを感じ取れた人は居たことでしょう。空とぶじゅうたんのイベントに、マクドナルドの「北風とうしろの国」の影響を見て取った人は居たことと思いますが、DQ6は幻想文学から取ってきた筋の宝庫です。全体としてこの作品は遥かに高尚なテーマを目指して作られていたことを私は見て取れます。そしてそういった具体的に指摘し研究していたサイトは検索した限り存在していない。こういった事を具体的に分析し発表していくことによって、ゲーム作品にも文学性が存し、それゆえそういった作品にはもっと正当な評価が与えられるべきと私は主張していくつもりです。
 ちなみに美少女ゲームの分野では遥かに市場が小さくユーザ層も少ないはずなのに、いくつかのサイトではゲームの優れた分析が行われていたりします。私もそうしたレビューサイトの先駆けとして一応コンテンツを書いていた時期もありました。MOON.という作品でのレビュー記事(http://www.campus.ne.jp/~ishigami/AMUSEC/BISYOU/DEEPREV/REV-MOO.htm)が光栄ながら、その作品における第1の解析記事の評価と地位をいただいたりもしました。まあ、こちらの活動も最近は停止気味になってしまいましたが、またいずれ再開したいものです。